2011年6月分


6月1日(水)

摩周湖は雲海状態となり、なかなか面白い景色を見せてくれ
ました。そういえば、今日あたりから津別峠も通れるように
なっているのでしょうか。釧路湿原はこんなときは霧に包ま
れているかどんよりした天気なので、朝はどこに向かうか迷
います。日の出も早いので、前の晩に決めておかないと間に
合わないですけどね・・・。              


6月2日(木)

スッキリしない天気です。釧路の夏はこんな天気が普通なのでしょう
か。近くの森を歩いていたらニリンソウがきれいに咲いていました。
大きな群生とはなっていませんが、かわいい花ですよね。オオバナエ
ンレイソウもあってこれからの花シーズンの先陣をきって咲いていま
した。サクラ取材で不在中に見られなかった花もあるのですが、でき
るだけ見逃さないようにしたいですね。といっても、今年はウロウロ
する予定なので、難しいかも・・・。              


6月3日(金)

晴天が広がっているというオホーツク海側に出かけまし
た。新緑が見頃になっていて、なかなかきれいな景色を
楽しむことができました。エゾシカはバンビを連れてい
る姿を見せてくれたり、人の前でものんびりでゆったり
とした時間が流れていました。もちろん、自然も弱肉強
食など生存競争が厳しいですが、緩急がしっかりあるよ
うに思います。慌ただしさだけで我を忘れてしまう人間
社会とはどこか違うところがあるように感じます。  


6月4日(土)

タンポポの咲いている原っぱを歩いていたら、ミヤマアゲハが
たくさんやってきていました。ちょうど羽化してきたばかりな
のでしょうか、夢中になって蜜を吸っていましたね。ここで咲
いているタンポポはセイヨウタンポポだと思うのですが、昆虫
たちにとっては貴重な蜜源となっているようで、マルハナバチ
やエゾシロチョウなどもやって来ていました。外来種なので環
境を唱える人には嫌われ者のようですが、虫達にとってはあり
がたい花となっていました。               


6月5日(日)

根室での写真展初日。昨夜、準備で根室まで行ったので、
そのまま車中泊をして撮影をしてきました。春國岱では道
東独特の初夏(というよりも春)の景色を楽しむことがで
ました。北海道、とくに道東の自然は本州の2000m級の山
に近いというのもうなずけます。それでも本州とは違う魅
力があり、なかなか惹かれるところがありますね。   


6月6日(月)

今年は花のタイミングをことごとく外してしまっているように
思います。オオサクラソウの花が咲いているところを見に行っ
たら、雨に当たったせいで花びらが傷んでしまっていました。
いつも見に行っているクロユリはまだ咲いていなかったのか、
葉だけしか見られなかったですし。あちこち出かけ過ぎかも。


6月7日(火)

日中は青空が広がって気温も上がり、初夏らしい天気と
なりました。サルルン展望台に上がってみたら、とても
心地よい景色が広がっていました。これから釧路湿原で
も緑の夏が楽しめそうです。ただ、夏至に向かって日の
出がどんどん早くなっています。夏はこれがキツイんで
すよね・・・。まあ、起きられたらということで。  


6月8日(水)

昨夜から峠に上がって、朝は日の出を待っていました。しかし
思うようにいきませんね。東の空には雲が広がっていて地平線
からの太陽は見られませんでした。でも、きれいな雲海が広が
り美しい景色を見せてもらえてよかったです。こういったとき
には645Dの中判デジタルならではの威力を感じます。最近
は4:3の画面サイズにも馴染んできて、構図もぴったり決ま
るようになりました。じっくり撮るのは楽しいですね。   


6月9日(木)

湿原のヤチ坊主もすっかり緑になってきました。霧の中で
ポツポツと見えるこんな姿はとてもかわいらしい感じがし
ます。湿原らしい景色で、とても気に入っています。これ
から2ヶ月くらいは緑の景色が楽しめるでしょうか。短い
釧路湿原の夏がやって来ましたね。          


6月10日(金)

東京はどんよりした天気ですが、花などがいろいろ咲いていて
森もいろいろなものが見られます。この野イチゴの実には、ア
リがやってきておいしい汁を吸っていました。今の都会の子供
たちは、こういった自然のおいしい味を知らないのでしょう。
身近にある自然の楽しさを知って欲しいですね。      


6月11日(土)

九州ではけっこうな雨が降っているようですね。土砂災害などが
起きないことを願っています。東京でも雨が降り続いていて、咲
き始めたアジサイもシットリとしていました。昨日みかけたカタ
ツムリの赤ちゃん達も姿を隠してしまっていました。こういう日
は元気に動き回っているものと思うのですが、どこに行ってしま
ったのでしょうね。                    


6月12日(日)

エゾノコリンゴがそろそろ満開となって来ました。湿原の
中にある大きな樹もいい感じです。曇天の予報となってい
ましたが、撮影しているときは晴れ間が出てきてくれて、
イメージしていた雰囲気になりました。これがどんよりし
た空だと絵になりませんから。釧路川の周辺は釣り人が多
いですね。この時期は何が釣れるのでしょうか・・・? 


6月13日(月)

春に角を落としたエゾシカの雄も、秋に向けてふくろ角を生やし
はじめました。だいぶ大きくなっているものもいて、夏には立派
な角になりますね。しかし、毎年こんなに大きな角を落としたり
生やしたり、大変なのではないでしょうか。敵から身を守るため
ならずっと生えている方がいいのでしょうし。のんびりしている
ところを見ると、敵は人間くらいなのかもしれませんね。   


6月14日(火)

キタキツネの子供も姿を見せてくれるようになりました。まだ
外に出るのが慣れていないのか、ちょっとおっかなびっくりし
ながらの姿は可愛いですね。いま、いのちがどんどん育ってい

る季節ですが、日本の自然は本当に大丈夫なのでしょうか?こ
んな景色がいつまでも当たり前に見られるようであって欲しい
と願いますね。                     


6月15日(水)

湿原の片隅でスズランが咲いています。他にも咲いていた場所
があったのですが、そこでは見つけられませんでした。クロユ
リも咲いていなくて、昨夏の大雨で水没したようなところは植
物が育ちにくくなってしまったのでしょうか。それとも湿原が
乾燥化してきて進出した植物が抑えられてしまったということ
なのでしょうか。ちょっとしたことですが、自然の変化を考え
ながら見ていると、おもしろいですね。          


6月16日(木)

サロベツ原野にやって来ましたが、花の開花が遅れている
ようでエゾカンゾウは咲き始めという感じでした。だいぶ
南に移動したところで咲いているところがありましたが、
海を画面に入れることができず、この場所らしい見せ方が
できないのでちょっと撮影して終了。エゾカンゾウを撮る
だけなら釧路周辺でも撮れるので、その場所らしさを出し
たいですよね。                   


6月17日(金)

まっていてもエゾカンゾウの開花は進みそうにもないので、
利尻島に渡りました。フェリーが入港する頃には晴れ間も広
がって、利尻富士の姿を間近に見ることができました。初上
陸なので、ザッと様子を見てみたいと思います。ただ、利尻
山には傘がかかって、明日から天気は下り坂になりそうなの
が残念です。                     


6月18日(土)

利尻島は車で回れる範囲では、思っていたように高山植物
などを見ることができないのですね・・・。利尻山に登れ
ばいいようですが、本格的なアイゼンが必要なようで手軽
に登れるところではありません。いくつか沼などの観光ス
ポットもありますが、団体がくると狭い木道ではゆっくり
と歩くこともできないですし。もうすこし静かに自然を見
られるようになっているといいですね。        


6月19日(日)

礼文島では相変わらずアザラシの姿を比較的間近に見る
ことができました。ウニ漁をしている漁師が近づいても
あまり気にすることなくのんびりしている姿を見ると、
人と自然のいい距離感を感じられてうらやましいです。
もっとも漁師からすると、アザラシは邪魔な存在なのか
もしれませんが・・・。こちらも花のタイミングは10日
ほど遅れているようで、残念です。         


6月20日(月)

本来ならこの時期には出会うことが難しいレブンアツモリソ
ウ。今年は気温が低い日が続いているせいで、まだきれいな
花にも出会うことができました。珍しいということだけで乱
獲や盗掘などの悲しい扱いを受けてきた花ですが、少しずつ
大切に見てもらえるようになってきているようです。100年
先にも同じようにこの花が見られることを祈っています。 


6月21日(火)

礼文島から戻ってきてみると、サロベツ原野のあたりも
だいぶエゾカンゾウが花を広げていました。数日でぜん
ぜん景色が変わってしまうものですね。これから一週間
くらいこの場所にいられたら、いい景色とも出会えるこ
とだと思いますが、そうもいかないのですよね・・・。
いっそのこと、世捨て人になるのがいいのでしょうか?
まあ、似たようなものですけど(苦笑)。      


6月22日(水)

この巣穴、クマゲラの巣だったところです。だった、というのは
放棄されてしまったからです。少し前にオスがタカか何かに襲わ
れたのか姿を見せなくなり、メスが必死に餌を運んでいたものの
メスの姿も見られなくなったそうです。たくさんのカメラマンが
集まっていたことがプレッシャーになったのでなければいいです
が、残された雛は昨日まで餌をねだって鳴いていたものの、今日
は声も聞こえませんでした。力尽きてしまったのでしょうか。元
気な姿を見たかったですね・・・。             


6月23日(木)

津別のクリンソウ、やっと見に行くことができました。すで
にピークを過ぎていて、昨日激しい雷雨があったせいもあっ
て花がだいぶ落ちていました。しかし、これだけの広い面積
をたった一人の人が時間をかけて管理しているのですね。こ
の前会ったときにいろいろ話しを聞かせてもらいました。そ
のときに自然の底力を感じましたね。こういった場所は大切
にしていきたいと思います。管理している方に感謝!   


6月24日(金)

釧路湿原も雨続き。釧路市丹頂鶴自然公園ではちょっと
遅いタンチョウのヒナが孵っているようです。例年なら
GWのあたりなのですが、気温が低いせいなのか雨が多
いためなのか、自然のリズムも狂っているようです。関
東では気温が40℃近くなっているという話が伝わってき
ています。自然はどうしてしまったのでしょうか?  


6月25日(土)

東京は暑いです。朝は晴れていて日射しも痛いくらいで
どうしようかと思いましたが、その後は曇ってくれてな
んとか過ごすことができました。といっても、外に出て
いたのはわずかな時間でした。一日外にいたら、とても
体が持ちませんね。いまはアジサイが見頃になっていて
微妙な色彩がとてもきれいでした。北海道では8月くら
いですね。                    


6月26日(日)

東京から慌ただしく戻ってきて、作例撮り。余裕がないと
移動する時間もないので大変です。エゾツツジの方も気に
なりつつ見に行くことができずにいて、やっと見に行った
らピークは過ぎてしまっていました。この株もなんとか絵
にできるくらいで、近づくと花が傷んでしまっているのが
分かります。花のタイミングは難しいですね・・・。  


6月27日(月)

今日も作例撮りの続きです。天気がいいときに済ませておきたい
ですからね。とはいっても、作例だけ撮っていたのでは時間がも
ったいないですから、いろいろ目についたものを撮影します。こ
の蝶も、神の子池に行ったときに見つけました。サカハチチョウ
ですね。やっと気温が上がってきて、道東ではいろいろなところ
で昆虫の姿を見られるようになってきています。もう少しゆっく
りと昆虫の姿を見たいですね。               


6月28日(火)

釧路川の土手にたくさん咲いている花があります。黄色の
コウリンタンポポのような感じもしますが、まだ名前を調
べていません。土手に群生する花は自生しているものより
も土を運んでくるときに混じっていた外来種ということが
多いので、そんな感じかなと思っていますが・・・。でも
まあきれいです。しばらくは楽しめそうかな。     


6月29日(水)

しばらく見ていなかった、森の中を見てきました。ワラビがのび
ていたり、ところどころで花の姿が見られて楽しかったです。写
真を撮っていたら、地元の猟友会の人が巡回していて、クマが出
ているから気をつけてといっていました。出てくれたらうれしい
のですが、撮れるかな?今日は暑かったですね。       


6月30日(木)

この前は残念な報告をしなければいけませんでしたが、今日は
クマゲラの姿を見ることができました。北海道を代表する鳥の
姿はとても美しかったですね。近くに来たときの鳴き声はとて
も印象的でした。これだけの声量があれば、どこにいても分か
りそうなものですが、少し離れるとまったく存在が分からなく
なります。自然で生きる知恵といえるのでしょうか。いい出会
いがあったので、その後は久しぶりにカヌーを出して、水面の
心地よさを楽しんできました。