2011年3月分
3月1日(火)
暖かくなったと思ったら、また冬らしい天気が戻ってきま した。午後からは粉雪が降ってとても寒い一日でした。娘 をつれて川沿いを散歩してみたら、ヤナギの芽が元気に伸 びてきていて、春らしさを感じさせてくれました。明日は また雪景色に戻ってくれそうですが、今シーズンあと何回 雪景色を楽しめるでしょうか。
3月2日(水)
だいぶ湿原の雪も融けてしまって、春らしい景色になっていま す。昨夜降った雪も期待したようには積もらず、お湿り程度と いったらいいでしょうか。伊藤サンクチュアリに集まってくる タンチョウの数も減ってきて、ピーク時の1/4ほどになりまし た。そろそろ給餌場での撮影も終わりに近いと思うので、夕方 流し撮りの練習をしてきました。こういうシーンは冬以外はな かなか撮らせてもらえないので、貴重なんですよ。
3月3日(木)
北風が吹いて流氷が少し戻ってきました。といっても接岸 していたのはごく限られた範囲。もうすこしたくさん見ら れることを期待していたので、ちょっと残念でした。ワシ 類の姿もあまり見られなくなっていて、狭い範囲をうろう ろしているだけで100Km近く走ってしまいました。夕方には かなり流氷が流されていたので、明日は見られるでしょう か? せっかく来た流氷なので、もうしばらく楽しみたい ですね。
3月4日(金)
湿原にタンチョウが帰ってきましたね。これだけ暖かくなる と、生き物の体のサイクルは春になってしまいますよね。こ の調子だと、本州の桜も開花が早くなるのではないでしょう か。北海道の桜も天気に振り回されっぱなしなので、今シー ズンは少しいろいろな場所を見ておきたいと思っているので すが、どうなるでしょうか。
3月5日(土)
今朝は冷え込みもあって、霧氷がきれいについていました。 天気が良くて霧氷がついて・・・、そんな貴重な条件に恵ま れることは多くないので、うれしいですね。まだハクチョウ たちはたくさんいますが、氷が融けて水面が見えてくれば、 だんだん北へと帰ってしまうのでしょうね。まだ湿原の湖は 凍っているので、しばらくは大丈夫かな。
3月6日(日)
今年は雪がなくなるのが早いせいか、もうフクジュソウが咲き始めて いますね。まだ咲き始めという感じですが、あと10日もすればたくさ んの花が森を彩ってくれるものと思います。朝は比較的冷え込みが続 いているようなので、湖の方は湖面が凍ったままですが、森の南斜面 は雪もなくなって、確実に季節が進んでいるようです。
3月7日(月)
このところ、どこに行っていいのか分からずなんとなく動いている 感じです。出かければ何か見られるのですが、このところのガソリ ン価格上昇で無駄に動くのも気分が乗りません。それでもなにげな く出かけた先でこんな景色が見られれば、移動した甲斐があるとい うもの。写真家たるもの写真を撮らなければただの遊び人みたいな ものですから、これからも撮り続けますよ。
3月8日(火)
昨日は東京も積雪したようですが、こちらは晴れたり吹雪いた り、めまぐるしく天気が変わりました。春になると天気は変わ りやすいといいますが、変わりすぎです。この冬は雪が少なか ったわりに冷え込んでいて、季節が変わっている実感がないの ですが、動物たちは空気が変わってきているのを感じているよ うですね。
3月9日(水)
羅臼の「鷲の宿」にシマフクロウを撮影しに行きました。北海道 に移ってから気になっていた場所ですしたが、なんと初の撮影で す。動物園でその姿は見たことがあるものの、生のシマフクロウ は美しかったですね。待っている間に聞こえてくる鳴き声も、い い雰囲気でした。「鷲の宿」に宿泊すれば撮影できますので、興 味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。シマフクロウは1年 中、姿を見せてくれますよ(ただし夜限定です)。
3月10日(木)
網走湖に住み着いている?アザラシ君です。流氷はだいぶ流れて しまって網走からは見られませんでしたが、湖は湖面が凍って安 定した氷もあるのでお気に入りなのでしょうか。近くを泳いでい るカワアイサを見ていると、カレイのような平べったい魚を捕ま えては食べていました。アザラシにとっては魚もたくさんいるの なら、まさに楽園ですね。
3月11日(金)
今朝は久しぶりに冷え込んでいました。屈斜路湖の湖畔でもマ イナス10℃以下になっていたのではないでしょうか。ハクチョ ウたちも寒かったのか、集まってくるのがちょっと遅かったで す。それにしてもかなりお腹を空かせているようで、かわいそ うな感じです。これから春になればシベリアに飛んで帰ってい くのですが、充分に体力をつけることができるでしょうか。
3月12日(土)
知床も人が少なくなると動物たちの姿が多くなります。日中でも 道路を歩くシカやキタキツネがたくさんいて、日頃どれだけ動物 に迷惑をかけているのか実感できます。津波の災害で大変なこと になっていますが、自然のなかで生きるものにとっては人間が開 発と呼ぶ災害によって、いつも危機にさらされているのではと思 います。人間も動物も、自然のなかで幸せに暮らせるときが来る といいですね。
3月13日(日)
日当たりのいい斜面では、フキノトウがたくさん見られるように なりました。森で聞こえてくる小鳥の鳴き声も春っぽくなってい ますね。釧路湿原の湖はまだ凍ったままで、水鳥の姿があまり見 られないのが例年と違うところですが、この先どんなふうに変わ っていくでしょうか。緑に覆われるようになるのはまだまだ先。 暖かい季節が待ち遠しいですね。
3月14日(月)
やっと出会うことができました! クマゲラ。道路脇で餌 を探していました。このときは木の皮を剥ぐようにしてい たので、あまり木を突く姿は見られなかったのが残念でし た。クマゲラのドラミングはすごいという話なので、ぜひ 聞いてみたいです。一度出会えばまた機会はあると思うの で、期待しています。
3月15日(火)
東大雪のトムラウシ温泉で、エゾクロテンを撮影してきま した。けっこう深い雪があっても元気に駆け回る姿は、野 生そのものですね。これから繁殖期になるということで、 活動も活発になってきています。しかし、夜の撮影で雪も 降っていたので、カメラは氷漬けになってしまいました。 今度はゆっくりと撮影してみたい場所でしたね。
3月16日(水)
春らしくなってきたと思ったら、雪が降ってきました。湿原の なかにはガマの穂が残っていて、初冬のような景色になってい ましたね。東北でも雪が降って真冬なみの気温とのこと。道路 が復旧するまで大変だと思いますが、もうしばらく頑張ってく ださい。たくさんの人達が救援・支援に向かっています。原発 事故に関しては、自然の力を甘く見ていた結果という感じがし ますが、いち早く沈静化させて欲しいものです。
3月17日(木)
根室で打ち合わせがあったので、そのあと春國岱へ寄って いきました。家の辺りでは雪が降っていたのですが、こち らでは夕陽も見られていい景色でした。しかし、台風のよ うな低気圧が通過していたせいか、風が強くてとにかく寒 かったです。この前行ったときと比べると、風蓮湖の水面 はほとんど融けていて、たくさんのハクチョウがやってき ていました。根室にも春が来てますね。
3月18日(金)
ちょっとずつ釧路湿原の湖も湖面がひらけてきています。そ の変化が分かるのか、オオヒシクイ達が帰ってきました。だ いぶ前にも木に向かって飛んでいく姿を湿原の中で見たので すが、湖の方がひらけなかったのでどこかに行ってしまった ようでした。斜里の方で見た群れがそうだったかもしれませ ん。いずれにしても春が本格的にやってくるようです。被災 地の寒さが一日でも早く和らぐといいですね。
3月19日(土)
近所の公園でクビワキンクロの姿を確認できました。図鑑で調べて みたら、こちらでは迷鳥だったりしてわりと珍しいようです。野鳥 にはぜんぜん詳しくないのですが、撮影しておけば記録にはなりま すよね。撮影しているときはキンクロハジロの親分だと思っていま した(苦笑)。これから小鳥もいろいろ見られる時期になるので、 ちょっと勉強しておきたいですね。
3月20日(日)
今日もバードウォッチング。森のなかでキレンジャクが樹液 を舐めていました。この時期、樹木が活動を始めるためなの か、樹液が流れているのをよく見ます。カエデなどは甘い樹 液が出てくるので人気のようですね。他にもいろいろな鳥が やって来ていましたよ。
3月21日(月)
はやいもので春分の日ですね。昼と夜が12時間ずつになって 太陽が真西に沈んでいきます。春というものの、まだ屈斜路 湖はしっかりと凍っていました。しかし、湖畔を歩いていた らフキノトウが出ているところもありました。確実に春は来 ていることが感じられました。
3月22日(火)
春になったと思ったらまた雪です。地元の人は彼岸になると 雪が降るといっていましたが、そんなものなのですね。ちょ っと湿った雪なので、樹にも雪がのっていつもとは違った景 色を楽しむことができました。こちらではまだ雪が降ってく れてもいいですが、被災地はいち早く暖かくなって欲しいで すね。
3月23日(水)
冬の間、ずっと姿を見られなかったエゾリスが見られました。 ちょっと心配をしていたのですが、この前の冬もあまり姿が見 られず春になったら出てきたので、同じパターンですね。塘路 湖周辺ではアオサギが営巣をはじめ、北に帰るオオヒシクイが 集まっています。本格的な春がやってきたようです。明日は雪 との予報が出ていますが、心からは喜べない感じですね。
3月24日(木)
家の辺りでいい雪が降っていたので、ジッとしていられなくて 出かけました。しかし、湿原のあたりにつくと、こんなにいい 天気。たしかに雪の降った形跡はありましたが、ほとんど融け てしまっていました。日増しに湖も水面が増えてきているよう に感じます。そろそろ東京では桜が咲き始める時期ですよね。 まだ停電が続いているようですが、花見のように明るい話題な どが伝わってくることを楽しみにしています。
3月25日(金)
今日も午後からどっさりと雪が降りました。1時間のあいだ にすっかり雪景色へと様変わり。道路も白くなってしまうく らいですから、かなりの量が降ったと思います。とはいって も一時的なもので、数時間で溶けてなくなってしまうような 湿った雪です。明日の朝までこの雪が残っていてくれれば、 すばらしい景色が期待できます。ただ、この雪は道東だけで あって欲しいですね。
3月26日(土)
摩周湖の凍った湖面に雪が積もり、面白い模様ができてい ました。チラチラと雪が降る天気だったので、遠景がスッ キリと撮影できませんでしたが、晴れてくれればいい写真 になったことと思います。九州では桜が開花したというニ ュースが伝わってきました。さすがに季節のさを感じます ね。こちらはまだまだ朝は氷点下です。
3月27日(日)
コロコロと天気が変わる道東。午前は快晴で一日いい天気と 思っていたのですが、午後からは雲が広がり夕方には雪が降 ってところによっては吹雪いているような状態でした。湿原 の中では久しぶりにミンクの姿を確認。外来種として環境省 などは目の敵のように駆除していますが、もとはといえば人 間が持ち込んだもの。彼らには罪はありません。原発事故で 苦しんでいる方々も、誰のために苦しんでいるのか・・・。 国は責任とれるのでしょうか。この先の選挙もどうしていい か分かりません。
3月28日(月)
まったく天気が読めません! 今日も雲の様子を見ながら動 いたつもりでしたが、外れました・・・。一日の中ですべて の天気が楽しめるのはいいのですが、移動に時間がかかるの で、撮りたいときに思った場所にいないというわけで。野生 の勘を磨かなければいけないですね・・・。
3月29日(火)
今月はいろいろな生き物と出会うことができています。今日は 近所のキタキツネがご挨拶をしにきました。もしかすると、数 年前に仲良くしていた赤ちゃんが元気に大きくなってやってき たのかもしれません。昔のように、しばらく近くでうたた寝し たあと帰っていきました。ちょっと疥癬気味だったのが気にな りましたが、もし以前会っていた子ギツネだったとしたら、う れしいですね。
3月30日(水)
この冬は雪が少なかったために雪融けシーズンとなっても 湿原の景色は平穏そのもの。いつもなら湿原が水浸しにな っているのですが、釧路川の蛇行する様子もいつもどおり です。この時期に川の水が氾濫することで湿原のいのちは 保たれているはずなのですが、この様子だとこの春はいつ もと違った感じになりそうですね。そういえば、今日は4 月中旬なみの暖かさだったそうです、カエルの声は聞けな かったですね・・・。
3月31日(木)
今日はミンクの食事をじっくりと見ることができました。 たくさん食べると聞いていましたが、本当によく食べます ね。数分の間に10匹くらいは小魚を食べていたように思い ます。しっかり食べたあとは、魚をくわえて泳いでいった ので、子供に餌でもあげているのでしょうか。子供を連れ ている姿も見たいですが、見せてくれるでしょうか。