2025年6月分
6月1日(日)
やっとキビタキに会うことができました。今シーズンは遠くで姿を見たこと
はありましたが、なかなか撮影させてもらえる機会もなく、寂しく思ってい
たところでした。まだ他にも姿を見ていない小鳥もいて、だんだん見られな
くなってしまうのかもしれないと思うと残念です。そうでなくても葉が茂っ
て声は聞こえても姿は見つけられないことが多いですから、今日の出会いは
嬉しかったです。
6月2日(月)
湿原を歩いてみるとヨツボシトンボが思っていたよりもたくさん出ていました。
この時期ならイトトンボの方も出ていると思うのですが、こちらは見つけられま
せんでした。他にはカッコウがノビタキに迎撃されていたりエゾシカが湿原の深
い泥のところを苦労して歩いている様子など、面白いシーンもいくつか見られて
楽しい散歩となりました。ただ、湿原の植生はどんどん変わっているように見え
て、花などは寂しい感じがしました。この先どうなっていくのでしょうか。
6月3日(火)
クロユリが咲いています。これからいろいろなユリの仲間も咲き始めますが
一番早いのがこのクロユリですね。森の林床で静かに咲いているのはきれい
なのですが、花の香りはけっこう独特で、匂いを嗅ぐのはあまりおすすめで
きませんが、興味のある人は一度試してみてください(笑)。他にもマイヅ
ルソウやコンロンソウ、ナニワズなどの花が咲いていました。ちょっと地味
な色の花が多いですね。
6月4日(水)
一日雨でした。近所の牧草地には生まれたばかりの子供を連れたエゾシカが出て
きていました。雨だと人の姿も少なくなるので、野生動物が安心して姿を見せて
くれる可能性が高いです。ただ冷たい雨でしたので、子供が風邪をひかないかと
ちょっと気になりました。エゾシカって子供を温めるような行動をすることがあ
るのでしょうか。
6月5日(木)
毎年の恒例になっている、ラッコを見に行ってきました。今シーズンは子連
れの姿を確認できませんでしたが、地元の人の話だとすでに産まれているよ
うです。今日は風が強く、外に出ていると冬の格好でないと寒いくらいだっ
たので、どこか安全なところにいたのかもしれません。花も咲いていなくて
海側は気温が上がっていないようなので、季節感も違ってきますね。
6月6日(金)
ノビタキが草原で子育てをしていました。オス・メス共に飛び回っては虫を
捕まえて巣に運んでいました。ヒナの鳴き声はしなかったので、まだ孵った
ばかりで小さいのでしょうか。ここしばらくは気温も高めで雨も降らないの
で、その間にしっかり育ってくれたらと思います。それにしても晴れ間が少
なく、風景を撮りにくいのが残念なところです。
6月7日(土)
森を歩いていると賑やかな鳴き声がしていて、姿を探したらシマエナガが巣
立ったようで幼鳥の姿を確認できました。かなり梢の上の方だったのでじっ
くりとは見られませんでしたが、7〜8羽くらいはいたでしょうか。親は餌
探しに必死であちこちを飛び回っていました。食べ盛りの子供がたくさんい
ると、ほんと大変。みんな元気に過ごしてほしいですね。
6月8日(日)
エゾイソツツジが見頃になっています。ちょうどタイミングよく青空が広が
ったところで見ることができました。相変わらず天気が変わりやすく、すぐ
に雲が広がってきて、午後は雨も降ったようです。この花はあまり香りがな
いのですよね。これだけたくさん咲いていると、あたりいい面花の香りに包
まれてもいいと思いますが、まったくそういう感じがしません。硫黄の匂い
が強いからわからなくなっているのでしょうか。
6月9日(月)
あちこち見てまわって撮影してきたのですが、一番印象に残ったのは夕陽で
した。このところ緑系の色ばかりになっている感じがしたのもありますが、
日中の時間が長くて朝夕の景色を見づらくなっているのもあるかもしれませ
ん。とくに道東ではまだ色のある花も少なく地味な景色になっているので、
そう感じるのかもしれません。かといって、朝夕の景色ばかりというのも好
きではないのですよね。
6月10日(火)
暖かくなり虫たちの姿も多くなっています。今日はヨツボシトンボが羽化し
ていた姿を見ることができました。もう羽根を伸ばし始めていて、しばらく
したらもう完全に羽が伸びていました。早朝ではなかったので、ラッキーで
したね。気温が上がるといきものの動きも活発になるので、いろいろなとこ
ろに目を配らないと見落としてしまいますね。
6月11日(水)
今シーズン、ぜんぜん姿を確認できなくて気になっていたカモの雛を見るこ
とができました。もうすでに大きくなっている感じもするので、少し前に孵
っていたようです。近所なのですがしばらく行っていなかったので、ヒヨコ
のような姿を見逃してしまいました。他の場所でも出てきていると思うので
確認しておかないといけませんね。行きたいところはたくさんありますが、
どこも離れていて思うように動けません。
6月12日(木)
スッキリしない天気で午前午後と動きましたが、風も強くて寒い一日となり
ました。すこし標高をあげると雲の中に入ってこれはまた幻想的な景色を手
軽に楽しめました。明日の朝は氷点下に近い気温になるということで、また
状況も変わるかもしれません。今シーズンは私の感覚が変わってしまったの
か、季節感を捉えることができないままです。
6月13日(金)
今日出会ったシマリス、草の実なのか葉っぱなのか、一生懸命に食べていま
した。こういった小動物の写真はヤラセで餌を撒いて花の中にいるようなシ
ーンが多いのですが、自然のなかで暮らしているとそういう行動はあまりし
ないことが多いですね。見た目のきれいさで間違ったイメージを作るよりは
本当の自然の姿を見せていきたいと思っています。
6月14日(土)
林床ではギンリョウソウが出てきていました。今シーズンは気候がちょうど
いいのかタイミングが良かったのか、かなりたくさん出ていて、いままで見
たことがない感じでした。この写真の花も傷み始めていますが、こういう株
がいくつもありました。なんとなくシカ道のところに多く出ている感じがし
たので、なにか関係があるのかもしれませんね。
6月15日(日)
原生花園の花はこの前下見に行ってから一週間以上経っているのにぜんぜん
開花が進んでいなくて寂しい状態でした。今年の花はほんとうにタイミング
が難しいです。それだけでは寂しいので森を歩いてみると、クマゲラがちょ
っと遊んでくれました。巣立ったばかりなのか、しばらく見ていると枝の上
でウトウトしていました。クマゲラのこういう姿を見たのは初めてで、いい
瞬間に出会えたと思います。
6月16日(月)
急に蒸し暑くなりました。湖畔ではミヤマカラスアゲハが吸水していて、虫
たちも暑く感じていたようです。ほぼ曇天のままでこの暑さを感じたので、
晴れていたらかなり暑くなったことでしょう。森の木々はかなり葉を茂らせ
ていて、小鳥の姿を探すのもかなり難しくなりました。これからは間近で見
られるいきものを探すようにしていきたいと思います。
6月17日(火)
日中はどんよりしていましたが、夕方にちょっと晴れ間が出てきて、その時
間を狙って撮影していました。けっこう蒸し暑くなっていて、じわっと汗が
出てきます。蚊も出てきているようで、油断すると刺されてしまいます。ル
ピナスは北海道の花と思っている人もいるようですが、これも外来種で雑草
レベルでどんどん増えていて、近所に大群生ができています。もう少し背景
がきれいな場所だと嬉しいんですけどね。
6月18日(水)
今朝の雲海は日の出の後、一気に風に流されてあっという間になくなってし
まいました。それでも普段は見られないようなダイナミックな動きがあって
面白かったです。日中は気温もあがってまだ6月というのに30℃となってし
まいました。この夏は暑さも落ち着くのかと思っていましたが、どうもそう
はいかないようですね。まだ汗をかける体になっていないので、はやく調整
しておかないといけないようです。
6月19日(木)
今日も暑くなって、森を歩いているといきものの動きも少なかった感じがし
ました。エゾシカは木陰で座り込んでのんびりしていました。ちょうどコバ
イケイソウの花が咲いていたタイミングでしたが、エゾシカが美味しそうに
食べていました。エゾカンゾウを食べているのは見たことがありましたが、
コバイケイソウも好物だったのですね。意外と花を見る機会が少ないのは、
エゾシカが食べているのかもと思いました。
6月20日(金)
先日見に行ったときはぜんぜん花も咲いていなかった原生花園ですが、今日
は見頃となっていてゆっくり楽しんできました。数日でこんなに一気に花が
咲くものなのだとびっくりしました。エゾシロチョウもぽつぽつ見られたも
のの、以前のような大発生は期待できないとのことでした。急に暑くなった
ので、びっくりして咲いてしまったのでしょうか。
6月21日(土)
カラフトイバラが見頃になっています。傷みやすい花なので、なかなかきれ
いな花を見つけるのが難しいですね。ハマナスと似ているので間違える人も
多いのですが、色が淡くちょっと小さいので違いがわかると思います。でも
道内のあるエリアでは混合種もあるのだとか。植物の種類は苦手なのですけ
ど、複雑なようです。私は日々顔を合わせるいきものの姿を見続けることし
かできないので、また来年も元気な姿を見せて欲しいです。
6月22日(日)
巣立ったばかりのスズメの親子の姿を見ていました。もう器用に飛べるよう
になっていますが、まだ自分で食べ物をとるということを覚えていないのか
親が頻繁に食べ物を運んでは食べさせていました。もう少ししたら親の後を
ついて回って、自然の中で食べられるものを覚えていくのかもしれないです
ね。自分で食べ物をとれなければ生きていけないのですから、何気ない行動
であっても、真剣なのでしょう。
6月23日(月)
ユリの植えられている公園を歩いてみると、まだユリは咲き始めだったもの
の、テントウムシがたくさんいて、久しぶりにマクロ撮影を楽しむことがで
きました。まだサナギがたくさんついていたので、これから本番になりそう
な感じでした。北海道に来てから、あまりこういうシチュエーションがない
ので、面白かったです。自然があるように見えて、見せかけだけという場所
が多くなっているのは寂しいです。
6月24日(火)
本州はやはり湿度が高いですね。気温はそれほどでなくても、ジトっと湿気
が張りついてくる感じです。ちょっと暑さを忘れたくて、龍神伝説のある沼
に寄ってみたら、日中というのにうっすらと水蒸気が漂っていて、神秘的な
景色を見せてくれました。小鳥の声も聞こえていて、もう少し早い時期にゆ
っくり見ていたら面白そうでした。また訪れてみたいと思う場所でした。
6月25日(水)
晴れたり雨が降ったりと、目まぐるしく天気が変わります。このモンシロチ
ョウも雨が上がってホッとしたのか、夢中になって花の蜜を吸っていたとこ
ろでした。ちょっと前に強い雨が降っていたので、ほかのチョウも一斉に活
動を始めていたようでした。天気に振り回されているのは人間だけではない
のですね。復活していた梅雨前線も消えてしまったとかで、このあとはどん
な天気になるのでしょうか。
6月26日(木)
雑木林の中を歩いてみたら、樹液にいろいろな虫がやってきていました。い
ちばん初めにみつけたのは、意外なことにムカデでした。ずいぶん夢中にな
って樹液を吸っていました。そのほか、カナブンやスズメバチ、ヒカゲチョ
ウなどもきていました。このコクワガタは別の木でみつけたものですけど、
こういった虫たちが集まってくる環境があるのはいいですね。
6月27日(金)
ハス池で葉が赤くなっていて、きれいだなと見ていると小さなアカミミガメ
が昨年の花托の上で日向ぼっこしていました。こんなに暑いのにわざわざ日
向に出てくるなんて、よほどカメは暑いのが好きなんですね。最近の日本は
全国的に暑くなっていて、アカミミガメにとっては住みやすい環境になって
きているのかもしれませんね。
6月28日(土)
ダメ元で出かけてみたら、アサギマダラに会えました。まだヒヨドリバナも
蕾の状態だったので、無駄足だったかと思いながらウロウロしていたら、フ
ワフワと舞う姿を見せてくれました。とにかく暑いので標高の高いところへ
向かったのが正解だったようです。花などはちょっと中途半端なタイミング
でしたが、探してみれば何かあるものですね。
6月29日(日)
今日も暑いので標高が高いところにある池を目的地に向かってみました。思
っていたよりも人工的な池でしたが、トンボの姿があっていくらか撮影でき
ました。最近見ていなかったミヤマカワトンボの姿を見られたのが、うれし
かったです。独特な翅の畳み方や、翅の色がきれいです。地元にもいるそう
なんですが、見かけません。今度、本気で探してみようと思います。
6月30日(月)
猛暑日続きとなっていて、今日も標高1700mを目指しました。山梨は盆地な
ので、いろいろな方向に標高の高いところがあるんですよね。有名で人気の
ある場所ですが、タイミングが悪くほとんど花も咲いていませんでした。こ
のアヤメも柵の中でポツポツ咲いていたくらいで、シカに食べられているよ
うな感じでした。そうは言っても人間も地球を食い荒らしていますから、人
のことは言えませんよね・・・。