2022年3月分


3月1日(火)


あっというまに3月となりました。空はあいかわらず白っぽく霞んでいて、いか
にも春という感じです。給餌場の雪もどんどん融けているようで、駐車場から観
察場へ行く道が滑って危ない状態でした。タンチョウは雪が増えたせいかけっこ
うたくさん来ていて、例年よりずっと多い印象でした。まだ子別れしていない家
族も多く、微笑ましいシーンも見られましたね。この一週間でだいぶ様子が変わ
ると予想していますが、どうでしょうか。                 




3月2日(水)


天気の変化が激しい一日でしたが、日中はけっこう暖かくなりエゾリスも毛繕い
をしてのんびり過ごしていました。けっこう頻繁に毛繕いをしていて、痒いのか
なとも思えるくらいでした。まだ毛が夏毛に生え替わるのには早いと思いますが
エゾシカは毛が抜け始めているので、どうなのでしょう。いきものを見ていると
不思議に思うことがたくさんありますね。                 




3月3日(木)


今日も霧氷がきれいについていて、摩周湖を散歩してきました。といっても撮
影しながらだとあまり移動もできず、10時頃には霧氷も落ち始めていてそれほ
ど広い範囲を見ることはできなかったと思います。朝はマイナス10℃以下まで
冷えていても、その後の気温の上がり方が早く融けるのも早いです。先日スノ
ーシューを履いて歩いた道にはエゾシカの足跡がたくさんあり、いきものも楽
なところを歩きたいのだなと思いました。                




3月4日(金)


フクロウに会いに行ったら、樹洞のある木が大変なことになっていました。お
そらく中は空洞になっていると思うのですが、下の方まで幹に亀裂が入ってい
て嵐でも来たら倒れてしまいそうです。北海道に台風や冬の嵐が続けて来るよ
うになって、あちこちでこのような古木が折れたり倒れたりしています。仕方
ないことですが、次の世代の森が育っていないのが残念です。       




3月5日(土)


啓蟄をむかえ世の中的にはだいぶ暖かくなっているはずですが、朝はマイナス
10℃とまだ冷えています。それでもタンチョウは給餌場に集まる数が減り、少
しずつ自分の縄張りに戻っているようです。ハクチョウの方は相変わらずたく
さん残っていて、しばらくはにぎやかな状態が続きそうです。屈斜路湖は真っ
白になったままで、まだ劇的な変化はあまり期待できない感じですね。   




3月6日(日)

晴れ予報だったので出かけてみたのですが、雪が降り出してけっこう本降り。
なにも装備していなくて、ちょっとだけ撮影して戻ってきました。乾いた雪な
らそのまま撮っていたと思いますが、湿った雪はびしょ濡れになるので勘弁で
す。今年は降ると湿った雪が多いですね。あきらかに気候が変わって来ている
のを感じます。この雪もすぐに融けてしまうのでしょうね。        




3月7日(月)


昨夜降った雪はけっこう多くて、朝は除雪が大変でした。雪の量というよりも
吹き溜まりがすごくて、部分的に大量の除雪が必要になった感じです。こうい
う積もり方は初めてですね。なので、車を出せるようになったのもちょっと遅
くなり、午前の良い時間は撮影できませんでした。タンチョウも嵐を耐えて疲
れていたのか、あまり大きな動きはありませんでした。生身で嵐を乗りきった
のですから、大変でしたよね。お疲れさまでした(笑)          




3月8日(火)

ちいさな池も融けて湖面が出始めていて、水鳥の姿を近くで見られるようになっ
てきました。マガモってどこにでもいて珍しい鳥ではないですが、撮影してみる
と難しいですね。顔のグリーンがきれいに出るように撮ろうとすると、マックス
レベルで難しいのではないでしょうか。身近な鳥で撮り直しも可能ですから、じ
っくり撮ってみると面白いですね。                    




3月9日(水)


このところ天気は晴れる日が多かったのですが、すっきりとした青空を見たの
は久しぶりの気がします。遠くの山もきれいに見えていて、暖かく気持ちいい
1日でした。暖かいのでなにか春の植物が出てきていないかと探してみたもの
の、朝はそれなりに冷えているせいか、まだみつけられませんでした。先日の
雪で埋もれているのもあるかもしれません。雪の方はあっという間に融けてい
てかなり減った感じですね。                      




3月10日(木)


先日見に行ったときは100羽くらい集まっていたタンチョウですが、今日は50
羽ほどしかいませんでした。それでも例年ならもっと少なくてもおかしくない
時期なので、雪が多くて給餌に頼っている感じでしょうか。ただ、子別れした
幼鳥の群れが見られず、まだ親と一緒に行動しています。暖かくてのんびりし
ている様子でしたが、のんびりしすぎのような感じもしましたね。     




3月11日(金)


今シーズン初めてくらいの感じで、彩氷を見ました。氷がはってもすぐに雪が
降ってしまっていて、なかなか出会うことができませんでした。今日ももう少
し早く現場に着けば、光の状態が良く他の氷でも見られたかもしれません。変
わらないと思われている自然ですが、毎年のように変わって行きます。人間の
せいで変わることがないようにあって欲しいと思うのは難しいでしょうか。 




3月12日(土)


朝から気温がプラスとなり、一気に雪が融けています。融けかけている湖面に
はたくさんのアオサギが集まってきていました。近くに営巣地があるので、そ
ろそろ営巣の準備が始まるのでしょう。今日も雪がない南斜面を見てみたので
すが、まだ春の花の芽吹きはみつけられませんでした。このあとしばらく暖か
い日が続きますので、これから一気に出てくるかもしれません。見逃さないよ
うにしたいですね。                          




      

3月13日(日)


そろそろ給餌場のタンチョウも見納めかと思い見に行ってきました。暖かくて
大きな動きはなかったのですが、子別れのシーンを見ることができました。こ
の幼鳥は親と別れる瞬間が来ることを予期していたのでしょうか。タンチョウ
の本当の子別れは空の上で起きるのですね。写真としては分かりにくいものに
なってしまいましたが、見ることができて良かったです。         




3月14日(月)


雪は融けているものの、あるところにはしっかりあります。歩くのも足が潜っ
てなかなか大変です。そんなところも軽いエゾリスなら潜らずに駆け回ること
ができて羨ましいです。このエゾリスもどうやって分かるのか、雪の下からク
ルミを掘り出して食べていました。すっぽり頭が潜るくらいは掘っていたので
どうしてクルミがあるのが分かるのか不思議です。匂いなのでしょうか。  




3月15日(火)


雪が降るということで、タンチョウの給餌場へ。今シーズンはまだ30羽以上の
タンチョウが来ていて、ちょっと様子が違います。適度に数が減ってくれたお
かげで撮りやすい感じもしますし、昼前からしばらくしっかり雪が降ってくれ
たので、いい雰囲気でした。雪の中で求愛ダンスを踊るタンチョウは、まさに
湿原の神ですね。とても美しかったです。                




3月16日(水)


今日も雪でしたね。朝のうちだけかと思っていたら、日中にもチラチラと降り続
いていました。気温も高いので積もるほどではないのですが、そろそろ雪も終わ
りにしてくれてもいいかなと思います。ハクチョウにとっては十分に暖かいのか
のんびりとしたものでした。関東ではいろいろな花が咲いているという話が聞こ
えてきていて、羨ましい限りです。                    




3月17日(木)


タンチョウに呼ばれてしばらく撮影していたら、足下にフキノトウをみつけまし
た。もうだいぶ前から出てきていた感じがしますが、このところ雪が続いている
ので埋もれてしまっているんでしょうね。近くでは、フクジュソウも確認しまし
た。また週末は大雪という予報になっているので、ちゃんと見られるのはもう少
し先になるかもしれないですが、楽しみです。               




3月18日(金)


まだ朝は氷点下になるものの、日中はかなり暖かく積もっているところも表面の雪
が融けているのが分かります。気温が上がったときには長靴でも履いておかないと
足下がびしょ濡れになってしまいますね。今日はエゾリスが巣材を運んでいるとこ
ろを見られました。きっと冬の間も同じような行動をしていたはずですが、行動す
る時間が短いので、なかなか見ることがありませんでした。春に向けて新居の準備
でもしているところだったのでしょうか。                  




3月19日(土)


この週末も荒れるということで雪の中のタンチョウを期待して出かけてきま
した。こういう雪のときにタンチョウはあまり動かないもので、予想通り大
人しくてちょっと期待はずれ。元気が良かったのは、この幼鳥1羽だけでし
た。午前の給餌の時点では15羽ほどしか来ていなくて、もう給餌場のシーズ
ンも終わりになるような感じがします。                




3月20日(日)


湖の氷もだいぶ融けて渡り鳥が集まってきています。オオヒシクイの群れがわ
りと近くに来ていたので、しばらく様子を見ていました。近づいたら逃げてし
まうかと思いましたが、ちょっと離れたくらいで飛び立つようなことはなかっ
たですね。ただ、ワシが狩りをしたときはビックリして動いていました。遠く
てどうなったか分かりませんが、渡ってきて疲れているから動きたくないよう
な感じもしますね。                          




3月21日(月)


寒暖の差が大きくなり湖も融けているところが出てきたのでちょっと様子を見
てみたら、彩氷がありました。胴長でも用意して水の中まで入ればもう少し選
んで撮ることもできましたが、ハクチョウを見に行ったついでだったので準備
していませんでした。角度を変えて見ると色も変わるので、違うバリエーショ
ンも撮影できたと思うと残念です。                   




3月22日(火)


気持ちよく晴れていて、今日も春探しをしてみました。先日の雪で真っ白になっ
ていた南斜面もだいぶ雪が融けて地面が出てきていて、ゆっくりと探してみたら
何株かフクジュソウが花を開いていました。このフクジュソウはいいタイミング
で雪の下から花を咲かせていて、まさに春を迎えるフクジュソウのイメージで撮
影できましたね。これ以上雪があってなくてもダメという絶妙のタイミングで、
被写体に呼ばれるというのはこういうことだと思いました。         




3月23日(水)


日中はかなり暖かく、雪もどんどん融けています。積もっているところはまだ
膝くらいまであるのですが、ズポッと踏み抜いて埋まってしまうこともしばし
ば。そして踏み抜いた底には水がたまっていることもあって、靴がびしょ濡れ
になってしまいました。冷えているときは靴が濡れることもないのですが、し
ばらくは長靴でも履いていないとダメかもしれないですね。        




3月24日(木)


どんどん氷が融けている湖で、ハクチョウが仲良くしていました。この二羽は
どうも他のハクチョウからいじめられている感じがして、見ているとあちこち
で威嚇されていました。もう渡りも始まっているようなので、最近この湖に来
たばかりなのでしょうか。たくさんいるハクチョウもよく見ていると強い家族
や弱いものなどいろいろです。さすがに個別に詳しく識別はできないのですが
特徴のある個体を見ていると、その場の勢力図など見えてきて面白いです。 




3月25日(金)


今シーズンは給餌場での撮影を最後にしようと思い、見に行って来ました。9
時の給餌のときは10羽しかいませんでしたが、その後やって来たものもいて、
最大17羽の姿がありました。このくらいの数だと動いたときも重なることがな
くて撮影しやすいですね。ただ、動く確立もかなり低くなるのでチャンスも一
瞬でした。まだ雪も多く、しばらくはいまいるタンチョウがやって来そうな感
じがしますが、気分を切り替えて行こうと思います。           




3月26日(土)


雨が降り始めました。ヤナギもだいぶ穂を広げていて、遠目に見てもその存在
が分かるようになってきました。晴れているときらきら光ってきれいですね。
気温もかなり上がっていて、湖の氷の上に水がたまっている状態でした。今夜
はたくさん降るようなので、明日には融けて水面が出ているところが増えてい
るでしょう。本格的な春の到来ですね。                 




3月27日(日)


昨夜の雨でだいぶ雪が融けました。湖の湖畔の方は思ったほどではなかったの
ですが、融け始めた氷や雪が微妙な色合いになっていてきれいでした。朝は霧
で真っ白でこれも春を感じることができました。この冬、道東は3月になって
やたらと雪が増えて例年よりも遅い春かと思っていましたが、このあとは一気
に季節が変わっていくようです。                    




3月28日(月)


十勝のあたりはだいぶ雪が少ないですね。場所によってはぜんぜん雪がないとこ
ろもありました。でも、札幌周辺はかなり残っているところが多く、ピークはか
なりすごかったことが想像できました。地面が出てきた田んぼにはマガンが降り
て落ち穂などをついばんでいました。今年の渡りは天候の影響でずれていると聞
いていますが、北海道も遅くなるのでしょうか。              




3月29日(火)


道内ではどこでもエゾリスの姿を見ることができますね。動物園ではないです
から、行けば見られるというわけにはいきませんが、どんな環境に住んでいる
か知っていれば探すことはできます。このエゾリスは松ぼっくりを食べていま
した。植樹された木を利用して生活する野生動物も多いですが、ここではそう
いう暮らし方をしているようです。見ているだけで3つ食べていましたので、
お腹空かせていたのでしょうかね。                   




3月30日(水)


新潟の花はユキワリソウなのですね。ちょうど満開のタイミングで見ることが
できてラッキーでした。こんな色とりどりの花が雪融けの林床で咲いていると
思うとワクワクします。野生の環境では一面びっしりというほどたくさんの花
が見られることはあるのでしょうか。そんなところがあるのなら、一度は見て
みたいと思いました。                         




3月31日(木)


山梨は標高差があるところなので、季節もさまざまですね。平地ではもうサク
ラが満開になったところもあるのに、富士五湖のあたりはやっとウメが見頃に
なっているくらいでした。これから一気に季節は動くことになると思いますが
このギャップは面白いです。撮りたいものに合わせて標高を変えれば、かなり
時期を選ぶことができるわけですからね。