2010年3月分


3月1日(月)

撮影ツアー最終日、朝からたくさんのシャッターチャンスに
恵まれました。一日撮影していると、どこかでテンションの
下がる時間帯があるものですが、ずっとシャッター押しっぱ
なしになることも珍しいですね。参加した皆さんのおかげで
すばらしい撮影ツアーにすることができました。ありがとう
ございます。ちなみに夕方は鶴居村・菊地牧場に寄りました
が、夕日は雲に隠れいまいちでした。また、楽しいツアーを
やりましょうね。                   


3月2日(火)

今日も青空が広がり、日射しの暖かい天気となりました。
ざっと湿原を一回りしてみると、だいぶタンチョウも自然
に戻ってきていました。給餌場のタンチョウは数が少なく
なってきていて、春になったのだと感じられます。北海道
の春は地味ですが、確実に季節が移り変わっているようで
すね。気温は低くても気分的に暖かい感じです。    


3月3日(水)

春らしくなってきた釧路湿原。動物たちの動き方もすっかり
春っぽくなってきました。とはいえ今年は雪がまだ残ってい
るので、大変なようです。エゾシカたちはあいかわらず樹皮
食いをしています。牧草地や牧場の近くでは、キタキツネの
姿を見ることも多くなりました。もう子育てをする準備も整
ってきているかもしれませんね。暖かくなったらかわいい子
どもたちの姿を見せて欲しいものです。         


3月4日(木)

このところ春らしい空の色をしていると思ったら、今朝は
びっしりと霧氷がついていました。マイナス10℃とあまり
冷えていなかったのですが、湿り気があるとこのくらいで
もキレイに霧氷がつくものですね。摩周湖や藻琴山なども
いい景色を見せてくれました。湿原の方は霧が出ていたよ
うに見えましたが、どんよりと曇っているような状態だっ
たかもしれません。どちらに向かうかでずいぶん天候が違
うので、うまく見極めたいところです。        


3月5日(金)

本格的に雪が降りました。雪かきをしたのは一ヶ月ぶりくらい
ではないでしょうか。湿原のなかもまた白い景色に戻ってくれ
ていい感じでした。湿り気が多い雪のために、降り止んでから
は融けるのが早いですね。この景色、いつまでもってくれるこ
となのか、気になります。明日の朝は、きっと霧が綺麗に立ち
こめるのではと期待しています。             


3月6日(土)

春になってめまぐるしく天気が変わる釧路湿原。今日は
とても暖かくなり手袋もいらないくらいの気温でした。
とても形のいい雲が出ていたので夕焼けを期待してシラ
ルトロ湖で待っていたのですが、焼けることなく暮れて
いきました。だいぶヒシクイが集まっていているので、
この場所も氷が溶けるとやって来てくれるでしょう。大
きく季節が変わる時期になりましたね。       


3月7日(日)

暖かくなってきているので、日増しに湖面の氷が溶けて
水面が出てきていますね。そんな水面のある場所にオオ
ヒシクイが群れでやって来ていました。ハクチョウも一
緒にいましたが、一緒に泳ぐようなシーンはありません
でした。アオサギもだんだん数を増やしているように見
えますし、湿原はどんどん春らしくなっていますよ。 


3月8日(月)

今朝はとてもいい景色に出会うことができました。こういう
出会いは求めるよりも自然に導かれて見ることができるもの
ですね。こちらから押しかけるのではなく、自然の声に耳を
傾けてフィールドに出ていることで目にすることができる景
色はたくさんあるはずです。多くの人が写真を撮ることがで
きるようになっているのに、既製のイメージに囚われている
のはもったいないことですね。             


3月9日(火)

冬が戻ってきたような冷え込みでした。阿寒湖に行ってみると
ポッケのあたりは水蒸気が木々について綺麗な霧氷がついてい
ました。あまり風がなかった性ですごい硫黄臭がしましたね。
このような場所って、野生動物は気にならないのでしょうか。
私は湖面を走るスノーモービルの音とか、観光客のために流れ
ているナレーションや音楽が気になりました。こういう場所に
来たら、生き物の気配とか風の音を聞きたいですよね。   


3月10日(水)

吹雪になるということで期待していましたが、午後から
ちょっと降り始めたくらいであまりたいしたことはなさ
そうな雪です。でも、フクジュソウのつぼみにはちょう
どいい感じに雪がのって、春を迎えたような雰囲気にな
ってくれました。夜のうちにドカンと降るのかもしれま
せんが、ほどほどにしておいて欲しいです。     


3月11日(木)

吹雪はだいぶ遅れてやって来た感じでした。昼前に屈斜路湖へ
向かっているときに、ラジオから釧路北部に暴風雪警報が発令
と情報がありました。そのタイミングにいたものですから、な
かなかすごかったです。自然の驚異を味わってきました。でも
午後には晴れ間も出てきてすっかり落ち着いた感じ。春は天気
も忙しいですね。                    


3月12日(金)

朝の伊藤サンクチュアリ、とても静かなものですね。でも
ごちゃごちゃになるほどタンチョウがいるよりも、このく
らいのほうがすっきりして絵にしやすいです。湿原の方は
霧氷がびっしりついていたので、こちらの方もとちょっと
期待していましたが、それはかないませんでした。春がや
ってきたとはいえ、まだまだ冷え込む釧路湿原でした。 


3月13日(土)

先月の頭に咲き始めていたカワヅザクラももう満開を過ぎて
散り始めていました。東京は気温が20℃近くなり、北海道と
の季節の違いを感じます。釧路では桜が咲くまでまだ2ヶ月
ほどありますから、花が咲いている景色はうらやましいです
ね。ただ、どうしても人の手が入っているところが多いので
なんか違う気がしてしまうところもあります。手つかずの豊
かな自然は、やっぱり贅沢なものですね。        


3月14日(日)

今日は日比谷公園。オオカンザクラが満開を過ぎたあ
たりでした。たくさんのヒヨドリやメジロがやってき
ていました。ムクドリの姿もありましたが、ヒヨドリ
に追われてすぐに出て行ってしまいました。しかし福
岡ではソメイヨシノも開花したということで、本格的
な桜前線が始まったようですね。4月に上京するとき
には、桜残っているでしょうか・・・。      


3月15日(月)

釧路湿原ではたくさんのエゾシカの姿が見られるように
なってきています。まだ雪深いところは避けて雪融けの
早い場所に集まって来ているのでしょうか。地面が出て
来ている場所で緑がないものか探しているのですが、ほ
とんど食べられてしまっているのか、なかなか見つかり
ません。緑を楽しめるようになるには、もうしばらくの
我慢が必要でしょうか。              


3月16日(火)

日中、わずかに広がった青空。そのなかでヤナギの芽がキラ
キラと輝いていました。今朝は釧路湿原一帯は濃い霧に包ま
れて真っ白になっていましたが、昼頃からは日射しが戻って
きて暖かくなりました。こういうことを感じると、春になっ
たという実感が湧いてきますね。            


3月17日(水)

綺麗に咲いているフクジュソウに出会えました。いつもこの
時期は気がついたらたくさん咲いているということが多いの
で、こまめに探してみました。この場所はまだ10株くらいで
したが、開きそうなつぼみなどもありました。もうすぐ色鮮
やかに花開くことでしょう。この場所にたどり着くまでは、
まだ雪の残っているところを歩かなくてはいけませんが、フ
クジュソウに一足早く出会えてうれしかったですね。   


3月18日(木)

北海道では珍しいエゾタヌキの姿を見ることができました。
ちょっと視力が落ちているのか、かなり近くまで近づいても
素早い動きができない感じでありました。以前この近くで見
たエゾタヌキは疥癬にかかっていて体の毛がほとんど抜けて
しまっていて、はじめはなんだか分からないくらいでした。
このあたりはまだ病気が残っているのでしょうか。暖かくな
ったら回復してくれるといいですね。          


3月19日(金)

ラッコを見に根室に行ってみたのですが、けっきょく出会えず
走り回っただけになってしまいました。でも、帰りがけにきれ
いな夕景と出会ことができました。私としては牧草地の景色で
はなくもっと自然な景色が見たかったのですが、帰り道はずっ
と酪農地帯なんですよね。雲がかなり広がっていたので早めに
切り上げていましたが、この天気を予測していればもっと粘っ
ていることもできましたね。               


3月20日(土)

日中はすこしでも日射しが出てくると、とても暖かく
感じますね。さすがにこれまでと同じような厚着では
いられなくなりました。でも、日の出の頃はまだかな
り寒いので、こまめに着たり脱いだりしないといけま
せん。雪がなくなった頃には身軽な服装で湿原にでか
けられるようになるでしょうか。         


3月21日(日)

もうフキノトウがたくさん出ている場所がありました。湿原
の方ではエゾシカに囓られてしまっているものが多いですが
人の住んでいるあたりではたくさん見られますね。この場所
は温泉が湧く別荘地帯。よくみたらたくさん出ていました。
本州だとフキノトウは天ぷらにしたりよく食べるのですが、
こちらではあまり食べないようですね。フキノトウ味噌はあ
りますが、天ぷらは聞かないですし。実際に試してみたこと
もありますが、やっぱり大味なんですよね・・・     


3月22日(月)

少しずつハクチョウたちの北帰行も始まっているよう
ですが、久しぶりに浜頓別町のクッチャロ湖を訪れて
みるとたくさんのハクチョウがやってきていました。
12月に来たときはコハクチョウばかりでしたが、オオ
ハクチョウの姿もありました。コハクチョウの子供は
くちばしもピンクから黄色に色が変わり、成長してい
るみたいでした。                


3月23日(火)

稚内・抜海港のアザラシは相変わらずたくさん姿を見せ
てくれました。この時期だと子供が見られるのではと期
待していましたが、ここは繁殖地とはなっていないとい
うことです。2月頃に間違って生まれた子供がいたそう
ですが、すぐに死んでしまったということです。この密
度では、子育てはできませんよね。この日は300頭を超
える数がいましたが、1頭が一日3kgの魚を食べるとし
て一日1tの魚が必要なわけです。かわいいですが漁業
的には大きな問題ですね。             


3月24日(水)

冬はいつもどんよりとした天気の北海道・日本海側。珍しく
晴れ間が広がって利尻島がはっきりと見えていました。もっ
と雲が少なければ、真っ赤に焼ける利尻富士の姿を見ること
ができたかもしれません。期待して早起きしたのですが、残
念でした。でも天気に恵まれたおかげで、いろいろと撮影す
ることができました。風が強くて寒かったですが、楽しかっ
たですね。                      


3月25日(木)

サロマ湖の湖畔ではいろいろな生き物の姿を見ることが
できました。キタキツネも普段はおとなしいイメージが
ありますが、オオワシに向かっていったり飛びついたり
することもあるんですね。びっくりしました。天気が悪
くても自然の中ではたくさんの生き物が動いています。
やっぱりフィールドに出ていなければ、何も始まりませ
んね。                      


3月26日(金)

雪融けの始まった湿原、ゆっくりと見ていたらまだ赤い実が
残っていました。もうドライフルーツのようにシワシワにな
っていましたが、みずみずしい赤い色は失っていませんでし
た。この冬はナナカマドが早くから実を落としてしまってい
て、ちょっと色味が寂しい感じがしていましたが、まだきち
んと残っていたんですね。鳥たちはどうして食べなかったん
でしょうね。                     


3月27日(土)

またアメリカコハクチョウらしき姿を見かけました。
今度は屈斜路湖の和琴半島。オオハクチョウに混じっ
てのんびりとしていました。ただ、ときどきオオハク
チョウに追いかけられたりしていましたが、遠目に見
たら分からないでしょうね。他にコハクチョウなどが
きていないか見て回りましたが、見つかりませんでし
た。この個体は迷い込んでしまったのですね。   


3月28日(日)

午後になって雪が降り出したかと思ったら、日没の前には
雲が切れて夕日が出てきました。春になってきたと思えば
冷え込んだりして、変な天気が続いていますね。慌てて出
掛けてみたものの、近場にあるヤナギの芽くらいしかみつ
けられませんでした。釧路川沿いのタンチョウはあまり姿
がみられないようですし、どこに行ってしまったのでしょ
うか。                       


3月29日(月)

この冬あまり姿を見られなかったエゾリスですが、元気に過ご
していたようです。雪の上を元気に走り回っていました。ただ
カラスの鳴き声にはかなり敏感で、離れていても慌てて木の影
に逃げ込んだりしていました。もしかすると、秋から冬にかけ
て襲われたりしたのかもしれません。それに、これから繁殖の
シーズンですからよけいに敏感なのかもしれません。子供をつ
れて出てきてくれたらうれしいですね。          


3月30日(火)

細岡展望台からの夕日、今月初めに行ったときと比べるとだいぶ
太陽の位置も移動していますね。今日はかなり理想的な位置に太
陽が沈んでいきました。朝からいろいろなものが見られたおかげ
で昼飯抜きになったのですが、それなりの成果があったと思いま
す。昼間にフクロウの鳴き声も聞けましたしね。       


3月31日(水)

日射しがないとまだけっこう肌寒く、景色もパッとしない
感じがします。定番のコースを一回りして、あまり変化の
ないことを確認してきたようなものでした。最近はキタキ
ツネの姿をよく見るようになり、すこしずつ生き物たちの
動きは活発になってきているように思います。これからは
子育てのシーズンですから、生き物たちにとっては忙しく
なりますね。早いところではタンチョウも営巣しているよ
うですし、子どもたちの姿を見るのが楽しみです。