2007年3月分


3月1日(木)

本日から写真展「富士の気配」始まりました。どう評価されるか心配
していましたが、ベテランからの評価もよくうれしく思っています。
おかげで今日は昼飯抜きになってしまいましたが、1日中お客さんが
絶えることなく入ってくれたのでよかったです。ゆっくり話せなかっ
た方もいましたが、勘弁してください。それにしても東京は暖かいで
すね。夜、ちょっと飲んだ後は長袖のTシャツだけで十分でした。 


3月2日(金)

日比谷公園、ジンチョウゲの香りがとても心地よく漂っています。
なんか、花の香りがあると春らしい雰囲気になりますね。もちろん
あたたかくて春そのものなのですが、雪国から出てくると新鮮に感
じます。見慣れた景色に思っていましたが生活が変わると見え方も
変わるものですね。こういう刺激って写真を撮るには必要なのだと
あらためて思いました。                   


3月3日(土)

オオカンザクラ、ちょうど満開ですね。やはり白い景色の北海道
にしばらくいると、このような色鮮やかな景色はとても新鮮に感
じます。日比谷公園の木は脇に電灯があって全体の姿を撮れなか
ったのがちょっと残念でしたが、春の雰囲気を楽しませてもらい
ました。暖冬といわれていますが。この穏やかな天気は気持ちい
いですよね。私は曇天の柔らかな光で桜を撮るのが好きです。 


3月4日(日)

日射しがあって暖かいと、ナノハナ畑にミツバチがやってきていま
した。日比谷公園の中ですから養蜂しているのではないと思います
し、この色は日本に昔からいるニホンミツバチです。きっとこの公
園のどこかに巣があって、やっと暖かくなったので活動を始めたの
でしょう。最近はハチを見ると刺されるといって怖がる人が多いで
すが、よほどのことがない限り刺すことはありません。じっくり観
察してみると、けっこう可愛いですよ。            


3月5日(月)

天気が悪くどこへ行こうか悩んだのですが、苦肉の策で観光
ポイントでもある弟子屈の硫黄山へ行ってみました。夏の観
光シーズンは噴気口に卵が置いてあるのでまともに撮影でき
ないのですが、今日は誰もいなくて静かでした。しかし噴気
の湿気が強いので、カメラその中に入ると曇ってしまいます
ね。こんな時に一瞬でも光が射し込んでくれたらカッコイイ
シーンへと変わるのでしょうが、それはなかったですね。こ
れから天気も荒れるようですが、どうなることか。    


3月6日(火)

暖かいせいで一気に雪解けも進んで、釧路湿原もかろうじて雪が
残っている程度となりました。おかげでエゾジカなども湿原に広
がって草を悠々と食べています。今年はぜんぜん牡鹿と出会う機
会がなかったのですが、今日は見事な群れを見つけました。牡鹿
だけではなく雌も一緒だったように見えたのですが、若い雄なの
でしょうか。ネコヤナギの芽も出始めて、このまま春になってし
まいそうです。                      


3月7日(水)

タンチョウシーズンもそろそろ終わりでしょうか。10時頃鶴居
の伊藤サンクチュアリに出かけてみましたが、40羽ほどしか姿
を見られませんでした。風が強くて川の方で休んでいたのかも
しれませんが、雪解けも進み自然の餌が食べられる場所に散っ
ているのかとも思います。空は真っ青でとてもきれいだったの
で、もうすこしこの美しい姿を見せてくれたらと思います。 


3月8日(木)

屈斜路湖も完全に氷がなくなってしまった感じです。湖岸の
樹についていた飛沫氷もほとんど見あたりません。ウトナイ
湖にはマガンが北帰行で伊豆沼あたりからやってきていると
いうニュースがあり、ハクチョウが帰ってしまうと寂くなっ
てしまうので、ワンパターンながらハクチョウの姿を撮影し
てきました。まだかなりの数がいますが、湖面が凍っていな
いために餌場までは泳いでくるやつがほとんどです。飛行中
の姿は思った程なく残念でした。彼らが帰るそのときを撮影
してみたいですね。                  


3月9日(金)

オンネトーへ行ってきました。この時期はまだ道路が冬季閉鎖
で通行できないので、通行止めの地点からスノーシューを履い
て歩きました。実際は雪が少なく奥の宿へ車が走った跡があり
その圧雪の上ならふつうに歩けたのですが、練習も兼ねて無駄
に動いてきました。この時期は湖面は全面凍結していて、すっ
きりした景色でした。雌阿寒岳が噴煙を上げる音が聞こえてき
て迫力ありましたね。                  


3月10日(土)

オンネトーで青い水面が見られなかったので(あたりまえです
けど)、神の子池へ行ってきました。ここは湧き水が溜まって
できた池で、この時期でも水温が8度と高いために凍結せずに
水面を見ることができます。光が当たるとコバルトブルーに輝
いてとてもきれいでした。冬ならではの雰囲気を出したいと思
うのですが、雪面の反射が強くなかなか思うようには撮影でき
ませんでした。でも、いいハイキングにもなって面白かったで
すよ。                         


3月11日(日)

朝からけっこう強く雨が降っています。知床では屋根の飛ばされた
家があったとか。こちらはそれほどでもなく昼ごろちょっとだけ外
に出てみました。すると雪の上にヒオドシチョウがポツンととまっ
ていました。このところ気温が高くなっていたので、越冬から冷め
て出てきてしまったのでしょうか。本格的に活動できるようになる
にはまだ早いと思うのですが、無事に春を迎えてくれるといいと思
います。                          


3月12日(月)

今朝は静かな雰囲気の夜明けとなりました。日の出前にはいいところ
に雲があり、もしかすると真っ赤に焼けるのではと期待させてくれま
したが、あまり焼けないまま夜は明けてしまいました。でも、劇的な
真っ赤な朝焼けもいいですが、こんな優しい雰囲気の夜明けもいいで
すよね。日中は風も強くて気温こそ高くなっていたものの、かなり寒
く感じました。春はかなり近くまできているはずなのですけど、快適
な暖かさになるにはもうばらく時間がかかりそうです。      


3月13日(火)

春らしい姿を見つけました。ヤナギがだいぶ芽吹き始めていて、
銀色のうぶ毛をキラキラと輝かせています。湿原の雪もかなりな
くなりフキノトウあたりもが出ていてもおかしくないと思うので
すが、まだ発見できていません。私が見ているあたりはシカが食
べてしまうのかな。こうなると緑の見られるのが楽しみになって
きますね。またいろいろ探しに出かけてみたいと思います。  


3月14日(水)

エゾジカの群れが丘の上に集まっていました。何度かこんなイメージ
で撮影したいと通ってみましたが、やっと撮影できましたね。生き物
相手だとどうしても思い通りに動いてくれるわけではないですし、こ
のように月を絡めたいと思うとさらに条件が厳しくなります。いつか
満月バックのシカなども撮影してみたいですね。ますます春の雰囲気
が強くなってきた道東です。                  


3月15日(木)

今朝の摩周湖は誰もいなくて貸し切り状態でした。しかし天気は
微妙な感じで、雲の向こうから太陽が昇ってきました。もう少し
雲が少なければ、大きな雲は見事に色づいてくれたかもしれなか
ったです。だいぶ山肌も地面が見えてきて、けっきょく湖面は全
面凍結しないまま春を迎えそうです。いずれにしてもこちらは朝
が勝負。ますます早起きしなければいけなくなるので、ちょっと
厳しいですよね・・・。                  


3月16日(金)

雪解けがどんどん進んでいて、タンチョウも湿原に帰りつつあ
りますね。伊藤サンクチュアリに寄ってきましたが、一時はタ
ンチョウが一羽しかないこともありました。数が少ない方が撮
影しやすいのですが、ぜんぜんいないのも寂しいですね。湿原
に散っていくと警戒心も高くなって、あまり近くで姿を見れな
くなりますからね。今年は暖かいせいで営巣・産卵も早そうと
いう話しなので、可愛い雛の姿を見たいですね。      


3月17日(土)

タンチョウが餌を食べているのを物欲しそうに見ているエゾジカの
子供です。まだなんとなくバンビ柄も残っていて、とてもいたずら
っ子でした。ときにはタンチョウを追い回してみたり、大人のおし
りを突いてみたりと、見ていてとても面白かったです。こういった
シーンを見ていると動画で撮影した方が面白くて分かりやすいのか
なとも思います。でも、こんなシーンを見ていられるだけでも楽し
いんですよね。                       


3月18日(日)

もうフキノトウが芽を出し始めていますね。場所によってはもう
雪がなくなってしまっていて、こんな雰囲気では思うように撮影
できないのかもしれません。今日はチラチラと雪も降っていたの
ですが、積もるという感じはないのでこの先どうなのでしょう。
東京では桜も咲き始めたということで、全国的に春がやってきた
のでしょう。春がやってくると自然の変化も激しくなるので、ま
すます忙しくなりますね。                 


3月19日(月)

かなり春らしい被写体と出会うことができました。フクジュソウが
だいぶ咲いていますね。イメージとしては雪のなかから顔を出して
いるところなど撮影したかったのですが、この場所は完全に雪が溶
けてなくなってしまっています。このあたりもよく見ていると、フ
キノトウもたくさん出ていて、一部はシカにかじられています。で
もフクジュソウはかじられた跡がないので、まずいのか毒があるの
かなのでしょうか・・・。                  


3月20日(火)

今朝は雲が多く、なんとなく焼けてくれたという感じでした。でも
このところ雲がなくていきなり太陽が昇ってくることが多かったの
で、だんだんと雲が色づいてくるのを見るのは楽しかったですね。
このところ太陽に合わせて生活しているおかげで、体調はすこぶる
いいのですが、夜はすっかり弱くなっています。でも、やっぱり朝
にいい写真が撮れるのですよね。このまま早起きを続けていきたい
と思っていますが、どこまで続くか・・・。          


3月21日(水)

湖の氷も割れて溶け始めています。今年は全面凍結しなかった
屈斜路湖ですが、ところどころ厚い氷ができていたようで、釧
路川に流れ出すところには氷が集まってきています。まるで流
氷のような姿を楽しむことができました。午前中は天気も良く
て青い空と氷のコントラストがとてもきれいでしたよ。でも、
気候は完全に春。木々が芽吹き始めたらまた一段ときれいなん
でしょうね。                      


3月22日(木)

今朝は霧が出て湿原は幻想的な景色になりました。そのなかで舞って
いるタンチョウはまさに神の使いですね。これで雲が割れて日が射し
込んでくれたら最高だったのですけど。また、昨夜は少し雪が降った
ようで、ちょっとだけ白い面積が増えました。もっとも太陽が出てく
るとすぐに溶けてしまうのですが・・・。暖かくなってくると霧の出
る確率も高くなるでしょうから、まだまだこの幻想的な景色も楽しめ
ますね。                           


3月23日(金)

東京でPIEのイベントに参加していました。久しぶりのイベントでし
たが、1ステージしかなかったのであっという間でしたね。国際展示場
周りではもうかなり春っぽい感じでした。北海道はまだ白が多い景色な
ので、色があるのを見るとうれしいですね。ソメイヨシノはまだ咲いて
いませんが、この暖かさだとこのあとは一気に咲いてしまうのかもしれ
ません。北海道で桜が咲き始めるのはいつなのでしょうね。     


3月24日(土)

都内の春はだいぶ進んでいますね。シダレザクラもそろそろ咲き
始めているところもあって、季節の移り変わりを感じられます。
ショカッサイもきれいに咲いているところがあり、ソメイヨシノ
も咲く気配を感じますね。この花、北海道では見られるのか分か
りませんが、春を感じさせてくれる花なんですよね。1日ごとに
変わっていく季節を楽しみたいです。            


3月25日(日)

わずかに2日ほど東京に出ていて戻ってきてみたら、釧路湿原の
雪はまったくなくなってしまっていました。雪解けの水で川はか
なり増水して湿原も水浸しになっていました。そのせいか、どこ
も霧が立ちこめていて、なかなかきれいな景色でした。冬の時期
はあまり霧が出ることもなかったので、季節も春になったのかな
と思います。タンチョウもあちこちの牧場で見かけますし、また
これまでとは違う道東の風景を楽しみたいと思います。    


3月26日(月)

釧路湿原の夜明けです。雲があってぼんやりと太陽が昇って
きましたが、周りではハクチョウやタンチョウの声が遠くか
ら響いてきて、とても気持ちのいい朝でした。寒かったとき
はこのあたりでもオオワシなどの姿がたくさん見られたので
すが、もうシベリアに帰ってしまったのか姿は見かけません
でした。雪が溶けて一気に増水していて、かなり湿原は水浸
しになっています。これが一段落するとタンチョウも産卵を
始めるのでしょうか。                 


3月27日(火)

午前中は春らしい空で気持ちよく晴れてくれました。雲も
なんとなく薄い雲が広がって、春らしい雰囲気なんですよ
ね。ハクチョウも氷がないせいで餌場までは泳いでやって
来るものが多くなっています。ただかなり暖かいのか、ハ
クチョウの様子を見ていてもとてものんびりしています。
数を見ているとまだ北帰行は始まっていないと思いますが
牧場や畑などでもハクチョウを見かけることが多いので、
本州からはだいぶ渡ってきているみたいですね。    


3月28日(水)

今年はぜんぜん冷え込まないので諦めていたのですが、摩
周湖で霧氷がたくさんついてくれました。朝の雲の様子か
ら摩周湖なら朝焼けするのではないかと判断して出かけた
のですが、雲が多くて朝焼けは見られませんでした。でも
たくさんの霧氷がついていていい景色と出会えました。わ
ずかな隙間から光が漏れてきていて、月光で撮影したよう
なイメージになってくれましたよ。          


3月29日(木)

久しぶりに真っ白になるくらい雪が降ってくれました。気温は
高いですから、雪が融けてしまう前にと思って朝から動いてい
ました。咲き始めたフキノトウなどもうまく雪から顔を出して
くれているかと思いましたが、みんな埋もれていましたね。フ
クロウのいる木では、周りが真っ白になってとても冬らしい景
色を見ることができました。これもすぐに融けてしまうのだと
思いますが、これを繰り返して春がやってくるのですね。  


3月30日(金)

札幌の街の中を歩いてみました。ところどころでフキノトウが
顔を出していましたが、他に目立った花などはみつかりません
でした。北大植物園はこの時期温室のみの開園となっています
が、フィールドにもたくさん面白そうなものが見られるような
気がします。もったいないので開けてくれればいいのに。フキ
ノトウがたくさん出ているところを見ていたら、カラスがつい
ばんでいました。春の味覚を味わうなんて、グルメですね。 


3月31日(土)

札幌のトークショー、銀座以上の大盛況にて終了することができて
とてもよかったです。でも、撮影するものといえば、遠くまではで
かけることができないので、駅周辺に限られてしまいます。雪解け
が進んでいるあたりでは、街路樹のナナカマドが落とした実がドラ
イフルーツのようになって雪の中から姿をあらわしていました。ま
だ色がない中では、とても新鮮に見えますね。明日からは4月とな
りますので、ますます春らしくなるでしょうね。