2014年12月分


12月1日(月)

北海道に戻りました。東京も雨だったし、こちらも雨。これといって撮影
するわけでもなく、帰りがけに森のなかからこちらの様子を伺っていたエ
ゾシカを見つけたのでちょっと撮影。道内ではシカが増えたということで
だいぶ撃たれているようで、すっかり姿を見なくなってしまった感じがし
ます。人も動物もゆったり過ごせるところであって欲しいというのは無理
なのでしょうか。                         


12月2日(火)

風が強くて屈斜路湖は海のようになっていました。そのなかでもハクチョ
ウは器用に水面に浮かんでいました。基本的には湖沼にいることが多いの
でしょうが、ときには海にいることもあるので、もっとすごい波にも対応
できるのかもしれませんね。しかし、風があると体感的にはとても寒く感
じます。さすがに素手というわけにはいかなくなりましたね。     


12月3日(水)

このところ近所ばかりだったので、ちょっと足を伸ばしてみました。エゾ
シカやキタキツネ、ハクチョウなどが遊んでくれました。日没が早いので
帰りも楽ですね(笑)。近場でも変化がいろいろあればいいのですが、ワ
ンパターンになると飽きてしまいますからね。雪のあるところにも足を伸
ばしたいと思いつつ、まだ雪道を走っていないので怖かったりします。天
気が安定してからの方がいいのかな。                


12月4日(木)

今朝はマイナス10℃以下まで下がり、やっと本格的な冬がやってきた感じが
します。朝はヤマセミが魚を捕るシーンを見ることができました。この寒い
のに水の中に飛び込んでいくのですから感心します。それでも朝は陽射しが
あるとそれほど寒く感じないのがうれしいですね。夕方は気温がそこまで冷
えていなくても、ずっと体感的には寒く感じますから。         


12月5日(金)

「くぉらぁ! この悪がきが〜!」と怒られているわけではないと思います。
でも、野生動物って子供をしかるときも本気でしかっていますよね。間違った
ことを教えると、どこで命を落とすかわからないですから。人間もしっかり子
供たちに教えなければいけないことがたくさんあるように思えてなりません。
子供たちのために未来はあるわけで、大人のエゴや欲を満たすためにあるわけ
ではないとおもいますから。                      


12月6日(土)

キタキツネの食事をゆっくりと見せてもらいました。落ち葉の下から何を
見つけたのかまでは分かりませんでしたが、カリカリと音を立てて食べて
いました。そんな仕草を数箇所で見られたので、もしかすると食べ物を隠
してあったのかもしれません。そういえば、以前ネズミを捕まえたキタキ
ツネを見ていたときに、隠そうとしていたことがありました。これから寒
くなると食べ物を探すのも大変なので、しっかり蓄えているのかもしれま
せんね。                             


12月7日(日)

マイナス15℃あたりまで冷え込んで、なかなか寒い朝でした。このところ
冷え込みが続いているので水辺の生き物たちの行動も真冬のパターン変わ
ってきていますね。冷え込みが続くと空気の方は乾燥して景色の変化が少
なくなってしまうのですが、その分生き物の動きを観察しているといろい
ろな発見があります。ただ見ているだけではなくて、どうしてそのような
動きをするのか推測してみることも大切ですね。           


12月8日(月)

日中に音羽橋をのぞいてみました。中州の様子が変わってタンチョウが入って
くれるか気になっていましたが、今シーズンも塒として使っているようで安心
しました。まだ早朝の様子を見ていないので、どんな感じなのか分かりません
が、もう少しタンチョウの数が増えてくると状況がよくなることを期待できそ
うですね。                              


12月9日(火)

阿寒湖フォトコンテストの審査があり、その前にオンネトーまで足を伸ば
してみました。もう全面凍結していて雪の乗っているところと透明な氷と
色のコントラストがきれいでした。けっこう氷の上に乗っている人もいま
したね。私も乗ってみましたが、意外と大丈夫でした。さらに冷えれば氷
も厚くなるのでしょうが、雪が降るまでのチャンスですね。      


12月10日(水)

今朝はなにげなく伊藤サンクチュアリに行ってみようかなと思ったら、いい
景色に出会えました。このところ、日の出の時間にはまったくタンチョウが
やって来なかったそうですが、たくさんいいシーンを見せてくれました。お
かげで朝だけで満腹になりました。写真を撮るときに、こうしなくてはいけ
ないではなくて、自分の直感を信じてみるのも大切ですね。なんとなく予感
したというのは、ひとつのチャンスかもしれないですから。       


12月11日(木)

午前中、雪が降って少し白くなりました。しかし、そのあとは雨になったの
で、ほとんど融けてしまいましたね。ただ、その間道路が凍ったりシャーベ
ット状の雪のためにあちこちで事故があったようです。私も伊藤サンクチュ
アリでの撮影を終えて寄り道して帰ろうとしたら、国道が通行止めで渋滞し
ていて、もと来た道を戻ることになりました。明日の朝も路面の凍結が心配
ですね。                              


12月12日(金)

今朝もいい表情を見せてくれたタンチョウ。たくさんいすぎて撮る方は苦労
したのでアップになりましたが、けっこう見所がありました。釧路圏に住ん
でいるのだから、撮っておきたい被写体ですよね。最近は、以前のイメージ
は見られなくなっていますので、今のタンチョウを捉えられるようにしてい
きたいと思っています。                       


12月13日(土)

今朝はまたグンと冷え込んだおかげでタンチョウたちはのんびりと出勤で
したね。朝の撮影を済ませてから、所要で霧多布へ。その帰りにふだんは
行かない場所でも撮影してきました。あちこちに給餌場をつくってタンチ
ョウを分散するのはいいですが、人を見ると餌がもらえると思って近づい
ていく仕草をあちこちで見られるようになったように感じます。もう少し
野生を損なわないでいて欲しいとも思います。            


12月14日(日)

このところ連日、鶴居村の伊藤サンクチュアリを見ているのですが、いつも違
うものが見られてますね。特定のイメージにとらわれなければ、いろいろなも
のが見えてくるところだと思います。ただ、この数年で行動パターンが大幅に
変わってきているので、なかなか行動を読みにくいようになっています。まあ
それを見ながらタンチョウが何を考えているのか予測するのも楽しいのです。


12月15日(月)

冷え込みが続いて、平地の湖も凍り始めていますね。この時期は氷の表情を
探してみるのも面白いです。明後日は吹雪になるという話なので、もしかす
ると今シーズンはこれで見納め? 雪が積もってしまうと氷の姿は隠されて
しまいますから。これもくらげがたくさん浮かんでいるようなイメージで撮
影したものですが、どんな感じに見えますか?             


12月16日(火)

今朝は久しぶりに美幌峠へ。しかし、雲がかかっていて峠は真っ白だったの
で、少し下ったところから撮影しました。あまり構図を変えることができな
い場所でしたが、いつも同じ構図になるよりもいいのでしょうかね。今夜か
ら北海道は大荒れになるという予報。真冬に台風が来るような気圧配置なの
で、どうなってしまうのでしょうね。                 


12月17日(水)

北海道は大荒れとなっていましたが、こちらは思っていたほどではなく無事
に過ごすことができました。大変だったのは、雪かきでしょうか。湿った雪
なのでけっこう重くて腕や腰が痛くなりました。天候の変化で大雪になるこ
とが増えていますが、これは勘弁して欲しいですね。伊藤サンクチュアリで
タンチョウの様子を見てきましたが、ふつうどおりでした。風は強いものの
たいしたことがないのを分かっていたのでしょうね。          


12月18日(木)

大荒れになっているはずの道東ですが、伊藤サンクチュアリでは一時青空も
出てきていました。風が強くて体感的には寒かったですが、タンチョウはあ
いかわらずいつもどおりの行動をしていました。一気に雪が積もったおかげ
で、ずいぶん背が高くて邪魔に思っていた柵も、ちょうどいい高さになりま
した(笑)。明日は晴れるようですから、いいシーンが見られることを期待
したいと思います。                         


12月19日(金)

朝、夕といい光のなかで撮影することができました。一気に冬景色に変わっ
てくれたものの、やっぱり光がないとパッとしませんね。やっと晴れ間が広
がって出かけてみたものの、まだ道路の除雪が終わっていないところがあり
思ったところに行けないのが残念でした。それでも夕方は行けるところに行
ってみたら、いい景色が待っていました。ここに行けってことだったのかな
と思うことがよくあります。自然は撮らせてもらうことが大切ですね。  


12月20日(土)

今日も懲りずに伊藤サンクチュアリへ。きちんと数えていませんが、ざっと
見ても200羽を超えるタンチョウが集まっていて、まともに撮影できないくら
いでした。ハクチョウもやってくるようになって、ハクチョウの追い出しも
始まりました。だいぶ人に慣れているタンチョウですが、このときばかりは
逃げてしまうものも多いですね。これで逃げなくなったら、完全に人に飼わ
れているようなものなので、警戒心は失わないで欲しいです。      


12月21日(日)

昨夜降った雨のせいで、一気に雪が融けていますね。スノーシュー履いて歩
こうと思っていたのですが、一気に笹が見えるようになったので予定を変更
しました。笹のなかに落ちると、スノーシューがひっかかかって大変な状態
になるんですよね。明日からは普通に冷えるようなので、雪も締まって安定
してくれると思います。もう一降りして欲しいけれど、適度にお願いしたい
と思います。                            


12月22日(月)

今日は冬至でしたね。日の出は6時50分くらいで、これからどんどん日の出が
早くなると思うと、ちょっと複雑な気分です。でも、日が長くなるほうが撮影
できる時間も長くなるのですよね。昨日の雨のあと冷え込んだので、湖面はツ
ルツルになっていて、歩けなくて立ち往生しているシカの姿がありました。無
事に脱出できたでしょうか。ちょっと気になっています。         


12月23日(火)

今朝は冷え込んでいるところへ向かったのですが、アメダスで見たほど冷えて
いなかったようで、ただ寒いだけの普通の景色になってしまいました。もう少
し雪が残っていてくれたらよかったのにと思いながら撮影していました。気温
がマイナス15℃以下まで下がれば霧氷なども期待できるのですが、今シーズン
はそこまでいかないようですね。生活するには冷えないほうが楽ですが、撮影
にはもっと冷え込んで欲しいと贅沢なことを考えています。        


12月24日(水)

今朝はマイナス18℃ほどに冷え込んで、川からは気嵐が立ち上っていました。
この気温になると、さすがに撮影中も指先がしびれてきますね。ただ、この前
の積雪で行きたい場所にも行けなくなっていて、しばらく歩いてみたのですが
思うようにはいきませんでした。これから本格的な冬がやってくる実感があり
ますね。この調子でマイナス20℃までいってくれると寒いけどうれしい!  


12月25日(木)

今朝もグンと冷えて音羽橋のあたりも霧氷がびっしりとついてきれいになり
ました。だいぶタンチョウの姿も増えてきていて、昨シーズンまでとは違う
雰囲気で楽しめるようになりました。今日はこの景色に撮らされてしまって
いるような感じがしましたね。もう少しじっくりと景色を見て撮るようにし
なければと反省です。混雑するときには行きたくない場所なので、それまで
に納得できる一枚を撮りたいですね。                 


12月26日(金)

今シーズン初の阿寒国際ツルセンターへ行ってきました。ここも伊藤サンク
チュアリ同様に、たくさんのタンチョウが集まっていて絵にしにくい常態に
なっていましたね。でも、魚を撒くときだけはワシがやってきてエキサイテ
ィングなシーンを見せてくれました。それにしてもいまの機材はすごいです
ね。こういうシーンも簡単に撮れてしまいます。どこまで腕が必要なのかと
考えてしまいます。                         


12月27日(土)

今朝も冷え込んで冬らしい景色になりました。でも、個人的にはもっと冷
えて欲しい感じがします。いままですごい景色を見てしまっているので、
これでも物足りないのですよね(笑)。やはりマイナス20℃くらいはいっ
て欲しいところです。そうなればもっとすごい景色を見せてくれると思い
ます。もう一息、冬将軍に頑張って欲しいです。           


12月28日(日)

年に何度もないきれいな夕焼けを楽しむことができました。朝の景色もすご
く良かったですし、景色に恵まれた一日でした。このあとはしばらく天気は
下り気味のようなので、こういった雰囲気は今年の撮り収めになるかもしれ
ません。とはいっても、このところ天気予報もあてにならないので、そのと
きどきの状況を見て動くしかないですね。               


12月29日(月)

今日は朝からいきものに遊んでもらいました。行く先々で思ったように動いて
くれたので、とても助かりました。コミミちゃんも私の前でずいぶんと舞って
くれたので、面白かったです。でも、殺気丸だしのカメラマンが集まってくる
と姿を隠してしまいました。いきものを撮りたいのなら、まずは自分の修行を
してからではないと撮らせてもらえないことを理解していないと、いくら頑張
っても無理なのだと思いますよ・・・                  


12月30日(火)

今朝はこの時期にしてはかなり気温が高く、マイナス7℃ほど。タンチョウが
日の出のタイミングでやってくるのではと思って伊藤サンクチュアリにでかけ
てみましたが、やってきたのは日の出前。そのあともいいタイミングではやっ
て来てくれることはなく、期待はずれになってしまいました。最近のタンチョ
ウは人の考えていることが分かるのか、裏をかかれることが多いですね。  


12月31日(水)

ゆっくり伊藤サンクチュアリを見に行きました。朝はかなりよかったみたい
ですが、到着したときには雪もあがっていつもの景色になってしまっていま
したね。今日はシカが出てきて、ちょっといいアクセントになりました。こ
の雪で食べるものに困っているので、タンチョウの食べ物をいただきに来た
というところでしょうか。タンチョウだけ優遇されていいなぁって思ってい
ることでしょうね。